WD Caviar Greenのディスク回転速度測定についてのまとめ

〜IntelliPowerのディスク回転速度について〜
作成
2010/12/04 Sat
公開
2011/02/03 Thu
更新

目次

  ◎概要
  0.趣旨
  1.結論
  2.手元にある物は固定回転速度が妥当と考えます
  3.現在、動作中に可変するとはメーカも明言していないと考えるのが妥当
  4.他サイトに可変回転速度であると記述があるのですか?
  5.個人の見解に過ぎないけれど
    5-1.メーカも間違いを犯すことはあると思います
    5-2.測定方法が怪しいなら指摘を!
    5-3.測定結果が怪しいなら再測定を!
    5-4.固定という見解のサイトは他にもあります
  6.どういう経緯で可変を信じているのでしょうか?
    6-1.可変の解説をしている記事はこれ1つのようにおもいます
    6-2.個人・法人いずれかも可変の計測結果を公表しいなように思います
  7.まとめ

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◎概要

 当公開サイトに掲載したWD Caviari Greenシリーズのディスク回転速度が固定(一定)と考えるのが妥当とした、一連の記事に対して投げかけられた疑問や批評に対する回答をまとめて記載します。


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0.趣旨

 当公開Webサイトを立ち上げて10ヶ月ほど経ったある日、疑問に思っていたWestern DigitalのIntelliPowerを採用しているというWD Caviari Greenシリーズのディスク回転速度を測ってみようと思い立ちました。測定方法を考えて、一応の結論を得て、その記事を2008/03/17 Monに掲載しました。

 今日(2010/12/20 Mon)で2年と9ヶ月経ちました。この記事から派生した一連の記事共々、多くの人に読んでもらえたようです。

 しかし、中にはどうも納得できない言われ方をしているのを見かけることがあります。例えば、当サイト記事へのリンク掲載の後、以下のような内容が書かれています。

 前者は、メーカーサイトを引用する形を取っていますが、現在(2010/12/20 Mon)、メーカーサイトには動作中に可変するとは書いてはないようにい思います。日本語の公式サイトには、IntelliPower. 微調整済回転速度バランス、転送速度、およびキャッシングアルゴリズムにより、大幅な省電力および安定したパフォーマンスを実現します。また、WD Caviar Green ドライブは、起動時の消費電流が小さいため、起動時にはシステムのピーク負荷を削減することができますと書かいてあります。この中では「微調整回転速度」と動作中の回転速度可変にそぐわない表記があります。

 後者は、Tom's Hardwareと言うサイトを引用しています。しかし、現在(2010/12/20 Mon)、そこからの引用したとされているHDDがアイドル状態もしくはそれに近い状態の時は5,400RPMで、データ書き込み頻度に応じて回転速度が変動し、その最高回転数が7,200RPMですと言う記述に当たる文言はリンクで示されたページに無いようです。

 見解の相違で、一つの意見と言えばそうなのですが、このような意見があちらこちらで見かけられます。これらも一つの意見であり、それだけで済めば良いのですが、これが更に引用されて、混乱が拡大しているような所が見受けられます。

 そこで、この時点で、このような意見に対する私の見解をまとめて記載しておくことにしまた。


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1.結論

 以下で展開する内容をまとめておきます。


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2.手元にある物は固定回転速度が妥当と考えます

 当サイトでは、以下の記事でWD Caviari Greenシリーズのディスク回転速度について、調べました。

  1. WDC Caviar GPのディスク回転速度どうなっているのか
  2. WD10EACS-00D6B0のディスク回転速度はどうなっているのか
  3. 利用しているHDD/SSDの概略内のWD10EADS-00L5B1の項目
  4. HDDの振動解析による回転速度の推定方法(HDDの回転速度推定の1方法)
  5. WD5000AADS-00S9B0はどうなっているのか(初めての5,000rpm推定品)
  6. 利用しているHDD/SSDの概略内のWD15EADS-00P8B0の項目

 当サイトの得た結果は、手元にある物の測定結果です。それ以外の何者でもありません。しかし、当初可変ディスク回転速度と言う意見の多かったWD Caviari Greenシリーズで、可変の物を見つけられ無かったというのも得た結果の一つです。

 以下の方法でディスク回転速度を測定しました。

  1. スピンドルモーターの駆動波形とモーター極数の関係から回転速度を導く方法
  2. コンタクトマイクロホンを振動センサに使った振動解析により回転速度を導く方法

 駆動波形による物と振動解析によるものの2種類の物理法則に則った方法を使って計測しています。2つの異なる原理で測定しているのは、誤検出や誤解析による間違いを防止するためです。

 振動解析で、パソコンのサウンド機能とフリーウエアを使った方法を用いたのは、入手しやすい物を使うことにより、測定結果を検証して貰いやすくしてもらうためです。FFT解析機能付きのデジタルオシロスコープを使える環境にある方は少ないと考えました。安価なコンタクトマイクロホンさえ用意してもらえれば、後はコストをほとんどかけることなく出来るので、測定結果に疑念を抱かれた方が検証しやすいと思います。

 また、測定負荷条件は以下の条件で測定しています。

 いずれの場合も、回転速度に変化は見られませんでした。

 これらの結果をまとめて5,000rpmか5,400rpmの固定ディスク回転速度と考えるのが妥当とだと判断しております。個人の見解とは言え、単一の測定方法の単一の条件下で測定して、判断しているようなことはしておりません。


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3.現在、動作中に可変するとはメーカも明言していないと考えるのが妥当

 メーカーである、Western Digitalの公式ページのKnowledge Base内のIntelliPowerの項には以下のように記述されています。

IntelliPower is a fine-tuned balance of spin speed, transfer rate, and caching algorithms designed to deliver both significant power savings and solid performance. Additionally, GreenPower drives consume less current during start up allowing more drives to spin up simultaneously resulting in faster system readiness.

 上記を私なりに、出来るだけ直訳してみましたの訳は以下のように思います。(fine-tuned ⇒ fine-tuned speed ではなく、fine-tuned balance のご指摘ありがとうございました。納得できましたので訳文使わせていただいています。)

 IntelliPower は、微調整された、回転速度、転送速度、及び、キャッシングアルゴリズムをバランスをとって、有意のパワー・セイビングと、堅実な性能の両方を届けるように設計されているのである。その上、GreenPower ドライブは、より早いシステム準備に許されるスタートアップ時間に、より多くのドライブのスピンアップの間、比較的少ない電流を消費する 省電力と堅実な性能の両立のため、回転速度、転送速度、キャッシングアルゴリズムを入念なチューニングでバランスさせています。また、Green Powerは起動時の電流が少ないため、より多くのドライブ(たとえばHDD)を同時に回転上昇できるので、より早くシステムが稼働状態になります。

 また、Western Digitalの日本語公式ページの多くの機能のタブの中では、以下のように記述されています。

IntelliPower.微調整回転速度バランス、転送速度、およびキャッシング アルゴリズムにより、大幅な省電力および安定したパフォーマンスを実現します。また、WD Caviar Green ドライブは、起動時の消費電流が小さいため、起動時にはシステムのピーク負荷を削減することができます。

 このように、Western Digitalの公式サイトでは、回転速度が可変するとの記述はないので、動作中に可変するとはメーカも明言していないと考えるのが妥当だと考えます。それにもかかわらず、以下のような記述があります。

7200回転ですねの鳥坂先輩さん:「なんだ、すごいえらそうに言うからメーカー公表かと思った。個人の検証なんてメーカーとの見識違いでしょ?メーカーが可変といえば可変でしょ?」

 このように、メーカーが可変であると言っていると主張する書き込みをよく見ます。しかし、現在、公式サイトにそのような記述はありませんので、Western Digitalがメーカーの公式見解として可変であると言っているかのように記述するのであれば、どこでそのように言っているのか、記述すべきであると思います。

 少なくとも現在(2010年)、メーカーが、公式サイトで動作中に可変回転速度であると明言している記述はないと考えます。少なくとも、あちらこちらで引用された内容について調べた結果にはありませんでした。

 メーカーが自サイトで公式に発表していない中、「個人の検証とメーカーとの見識違い」とは、どういう状況をメーカーの見識と言っているのでしょうか?

 現状では、「個人の検証なんてメーカーとの見識違いでしょ?」 とおっしゃっている可変回転速度であると主張される方々の方が、メーカーの見識と齟齬があると考えます。


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4.他サイトに可変回転速度であると記述があるのですか?

 他サイトを引用する形で掲示板などに書き込む人を見かけます。以下の場合、Tom's Hardwareの記事を引用しています。

回転数7200rpmだと思って買ったのですが。のLM5505Eさん:「いろんな意見がありますね!!個人的にはこちらの情報を支持いたします。http://www.tomshardware.com/reviews/green-terabyte-1tb,2078-2.html※URLにカンマ(,)が含まれているので、コピペでアドレスを貼り付けて下さい。HDDがアイドル状態もしくはそれに近い状態の時は5,400RPMで、データ書き込み頻度に応じて回転速度が変動し、その最高回転数が7,200RPMです

 引用されているTom's Hardwareの記事を確認すると、そのような事は書いてありません。この記事の中で、7,200RPMと書いてあるところは2カ所で、1箇所は仕様(Specifications)の表の中で、「5,400 to 7,200 RPM」と書いてある所で引用とは関係ありません。もう一カ所は、Western DigitalのCaviar Blackシリーズの回転速度についての記述の部分です。以下の通り、Caviar Greenについて記述した部分ではありません。

The Caviar Black is currently one of the fastest 7,200 RPM 3.5” terabyte drives on the market.

 上記を私なりに、出来るだけ直訳してみました。

Caviar Black は、現在マーケットで最も速い 7,200 RPM 3.5”テラバイトドライブのうちの 1 つである。

 これも、可変回転速度について記述した物ではありません。よって、LM5505Eさんが主張するHDDがアイドル状態もしくはそれに近い状態の時は5,400RPMで、データ書き込み頻度に応じて回転速度が変動し、その最高回転数が7,200RPMですの内容と合致する部分は、引用されているTom's Hardwareの記事にはありません。引用先に無い内容をあるように引用するのは、まともな引用ではありません。

 可変回転速度であると、メーカー公式サイトに記述がない。また、このような事柄で引用された米国のサイトにも記述がない。国内で記載があるのは、一部の販売店のPOPや通販サイトのスペック、初期のPC雑誌の紹介記事、そしてただ一つのPC雑誌の公式記事だと思います。

 可変回転速度であると主張する方々は、何をよりどころになさっているのでしょうか?


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5.個人の見解に過ぎないけれど

5-1.メーカも間違いを犯すことはあると思います

 メーカーもミスをすることはあり、記載ミスは少ないながら見かけます。また、途中で仕様が変わることもあります。その他の、事件などを見ても、メーカーの言うことが全く正しいとは言い切れません。

 よって、盲目的にメーカー発表を信じ込んでしまうのも正しい態度ではないと思います。慎重に検証しても、メーカー発表と異なる現象を見つけたのであれば、それが間違いとは言ってしまえるような物ではないと思います。メーカーも業界紙も口をつぐんだ場合、結局利用者しかそれを指摘する物はいないように思います。

 今回の場合、メーカーは公式には「可変ディスク回転速度である」とは言っていません。そのような場合に固定であるのを見つけた場合、より、信用しても良いように思います。

5-2.測定方法が怪しいなら指摘を!

 メーカーが間違いを犯す可能性より高い確率で個人も間違いを犯します。

 メーカーの場合、複数の人の目を通りますので、間違いを犯しにくくする機構を持ちやすくなります。しかし、個人は自身のチェックが主力になりますので、間違いを犯す可能性はむしろ高まります。

 当サイトの場合、間違いを犯しやすいからこそ、検証してもらいやすいように測定原理から測定方法まで公開しています。測定誤差で判断を間違わないよう、複数の物理現象に基づいた測定方法で測定するような工夫もしています。今回の場合測定方法の一つとして、安価なコンタクトマイクとサウンドボード、解析用のフリーウエアの組み合わせで測定に取りかかりやすい方法を考案しより検証してもらい安いよう配慮したつもりです。

 もし、測定方法が怪しいと思うのであれば、それを指摘するなり、別の測定方法で計測した結果などをもって指摘してください。

5-3.測定結果が怪しいなら再測定を!

 測定方法に同意できても、測定条件や測定結果に疑問があるという場合もあるかも知れません。当サイトの場合、検証してもらいやすいように測定条件、測定過程を公開しています。

 もし、測定結果が怪しいと思うのであれば、自身で再測定た結果を持って、それを指摘してください。

5-4.固定という見解のサイトは他にもあります

 以下のように、WD Caviar Greenシリーズのプラットの回転速度を固定として取り扱った記事が当サイト以外でもあります。

 このように、固定回転速度であると言っているのは、当サイトの個人見解だけではありません。


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6.どういう経緯で可変を信じているのでしょうか?

6-1.可変の解説をしている記事はこれ1つのようにおもいます

 動作中のディスク回転速度の可変について言及した公式な国内記事は、DOS/V POWER REPORT 取材・文 橋本新義のウエスタンデジタルジャパン株式会社フィールドアプリケーション エンジニアリング シニア マネージャーの長田徳二氏のインタービューただ1つだと思います。ただ一つをよりどころに、現在も可変回転速度であると主張し続けておられるように思えてなりません。

6-2.個人・法人いずれかも可変の計測結果を公表していなように思います

 HGSTは、以前からアイドル時にヘッドをランプロードに格納した後、ディスク回転速度を遅くする機構を搭載しています。これは、私も使っています。しかし、Westan Digitalがアクセス中の可変回転速度のHDDなどという画期的製品を出荷し続けているのであれば、もっと、解析され効果についての検証が行われ、実際にディスク速度が可変した個体の報告があるはずだと思います。また、メーカーサイトに誇らしげに効果の測定結果の記述があっても良いように思います。

 個人のサイトの記事でも、DOS/V POWER REPORT 取材・文 橋本新義のウエスタンデジタルジャパン株式会社フィールドアプリケーション エンジニアリング シニア マネージャーの長田徳二氏のインタービューを除いたPC雑誌の記事でも、日経エレクトロニクスのような専門誌の記事でも、メーカー公式サイトの記載でも、このような内容に触れた記述がないように思います。

 自身が、動作中、特にアクセス中の可変回転速度であることを確認されているのであれば、それは供貴重なデータです。是非とも、公開していただきたいと思います。しかしそのような事なしに、可変回転速度であると主張するのは、ただ、可変回転速度だと思いたいから可変回転速度と主張しているように思えてなりません。


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7.まとめ


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