個人が発信した情報の伝搬速度の考察

〜個人の発信する情報が一瞬で世界に伝わるなんて言うけれど〜

作成
2008/09/11 Thu
公開
2008/10/13 Mon
更新
2009/01/19 Mon

目次


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概要

 テレビや新聞などの記事で、インターネットなどの発達でWebサイトを立ち上げれば「個人の発信する情報が一瞬で世界に伝わる」など言う趣旨の発言を見かけます。しかし、純然たる個人の場合そんなにうまくはいかないという話です。

 事前にそれなりの準備があり、掲載して、様子を見て修正し、と言うサイクルを回して、実際に広まり始めるのは3ヶ月から半年後。一瞬に伝わるなどと言うのは個人には程遠い話です。このページではその伝わり方について、今までの運用で得た印象について説明しています。


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サイトの整備

 個人が、何らかの(趣味かその他かは問わない)情報発信を広く公衆一般に行おうとした場合、Webサイト(ブログなど含む)を立ち上げるのが一番手軽な手段と思います。

 Webサイトで情報発信した内容が受け手に伝わるには、なんらかの形で対象ページにアクセスしてもらう必要があります。このためには、ただ掲載されているだけでなく、発信した情報に興味がある人が対象ページを見つけ出せる必要があります。Webサイトを作って、ただインターネットに接続しただけでは、孤立したサイトがあるだけで見てもらうことは出来ません。検索サイトに登録するか、他のサイトからリンクを張ってもらう必要があります。

 まず、被リンクをなんとかもらうことと、検索サイトへの登録が必要になります。

 当サイトの場合、自宅サーバーWebRingに登録連絡して被リンクをもらいました。自宅サーバーWebRingは多くのサイトから被リンクされる有名サイトです。実績の全くない個人サイトにもらう被リンクとしては、とても良いリンクを頂けました。

 検索されるには、最低限クローラがサイトのデータを収集していき、検索サイトのエンジンに内容が伝わる必要があります。データを収集していってもらう為にGoogleにURLを登録しました。これで、有名巨大検索エンジン中の一つのクローラがやってくるサイトになりました。クローラがやってくれば、通常の内容であれば検索サイトに掲載されます。

 孤立していないサイトからリンクを貰い、検索サイトに掲載されれば、多いか少ないかは別にして、なんらかのアクセスが行われるようになります。当サイトの場合、全く実績のないところからのスタートながら、良質な被リンクをもらえたため、1日に数百ページリクエストのアクセスを得ることが出来るようになりました。また、被リンクをもらってから1週間程度でYahoo!のクローラの訪問も受けることが出来ました。結果として、少ないながらアクセスが行われるサイトになることが出来ました。

 人がやってくるようになった後はサイトの維持にいくつかの方針をとることが出来ます。しかし、生計のほとんどをWeb以外で得ている個人が作成するコンテンツの量は限りがあります。そのため、取り得る方針は結局クローラが十分な間隔でやってくるのを維持する程度の更新を行うと言うことになります。最低限これを維持しないと発信した物が世の中に伝わるのが難しいことになります。

 個人がまとまった内容の情報発信を行おうとした場合、クローラがやってくる間隔より狭い間隔で情報が世の中に伝わることは困難となります。せめて1週間に1度くらいはクローラが来るように維持整備が必要と言うことになります。この間隔は情報発信の伝搬にかかる時間の一要素になります。

 短い文書で表せる内容であれば、有名巨大掲示板などで発言する様な手段もあります。動画投稿サイトを利用する手段もあります。そうすれば、このような手間はかからず、検索サイトの内容の更新時間も一日以下になることも多いようです。しかし、このようなサイトの場合、まとまった内容の発言をすることは難しいように思います。


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検索サイトへの掲載

 Googleに代表される索引型の検索サイトはインデックス(索引)を持ちます。ページが検索サイトに索引の1項目として登録されることをインデックス化されたと言います。商用サイトであれば関連する単純な単一キーワードで上位に表示されるようにインデクス化される必要があります。しかし、個人のコアなサイトの場合ともかく正しくインデックス化されれば探し出してもらえる可能性が出てきます。新たな知見を増やす独創的なページがインデックス化されれば、それを必要とする人が複数のキーワードで検索してやってくるようになります。

 さて、いざなんらかのまとまった内容の情報をWebサイトで公開したとします。この後、クローラがやってきて、インデックス化されるのを待つことになります。

 インデックス化の第1の関門はクローラが当該ページにたどり着けるかどうかです。クローラーはプログラムなので画像の内容は解釈できません。画像としてはインデックス化されるかも知れませんが、画像の内容がインデックス化されることは現在はありません。また複雑な反応のスクリプトは解釈できません。HTMLの文法的間違いでクローラが混乱してたどり着けないことがあります。ログを確認してクローラが正しくクロールしていくかどうかを確認しながらインデックス化を待つことになります。

 当サイトはGoogleのページランク(PR)2/10程度です。これは個人サイトでは普通のランクだと思います。この場合、全く新しいページは6週間から2週間でインデクス化されるようです。また、更新の多いページや閲覧の多いページは3日から1日前の物がインデックス化されるようです。

 個人が情報を世間一般に公開する時の内容の伝搬時間には、このインデックス化の期間の時間が一つの要素になります。


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関連サイトで取り上げ

 インデックス化されただけでは、なかなか必要とする人の所に届きません。個人サイトでは単独キーワードで検索結果上位を得ることはなかなか出来ないので、複数キーワードでの結果に頼ることになります。この場合、組み合わせが増え得る分、必要な情報にたどり着いてもらえる確率は低下します。

 そこで、検索語を解析してどのような検索が行われているかを推理し、間違ってサイトに来る人が減って必要な人の検索結果に引っかかりやすいようにします。ページの分割や統合、文書の校正、一般的な用語への置き換え、言い換え用語の括弧付けなどを実施し調整していきます。

 後に大きなリクエスト数になる注目してもらえる内容の場合でも、関連個人サイトでぽつぽつと取り上げてもらえるようになるまで数ヶ月かかります。その状況がしばらく続いた後、大手のサイトに取り上げられて多くの興味を持つ人に知られることになります。ここまでたどり着くまで、2〜3ヶ月かかります。

 当サイトのページの場合、「WDC Caviar GPのディスク回転速度どうなっているのか」がアクセス数の多かったページの一つになります。これを2008/03/17 Monに公開して、某巨大匿名掲示板に初めて取り上げてもらったのが2008/05/07 Wedですからほぼ2ヶ月弱かかったことになります。

 一つの所で取り上げられてリクエスト数が増加するのは半日から数日程度の期間です。大きなサイトに取り上げられると、数日間の増加の影響が波及して他のページで取り上げられる事が増えて、また、大手サイトで取り上げられると言うことが繰り返されます。このためしばらくアクセスの多い時期が続きます。また関連のある内容を新たに掲載すると、かなり短い期間で取り上げられるようになりページリクエスト数の増加に寄与することになります。

 しばらくすると、新しく何処かに取り上げられてもリクエスト数があまり増えないようになってきます。これは、一定以上知られるようになって、目新しい物ではなくなるからの様です。このようにリクエスト数の増加は1ヶ月程度で落ち着いていきます。当時はこの段階で興味のある人にはほぼ伝わったように思っていたのですが、後の展開を見るとそうでもなかったようです。後で再盛りあがりがありました。


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誤解されやすい所の訂正

 取り上げてもらえるところが増えると、掲載内容に対しての読んでくれる人の反応が少しずつではあるが分かるようになってきます。

 ログで参照元サイトを解析しそのサイトを見に行ったり、検索語を確認することにより其のページがどのように参照されているかが分かります。これを参考に、誤解されている部分を直したり、参照内容に即したページへのリンクを張ったり、ページを分けたりまします。

 全く読まずに誤解されるという信じられない誤解をされることがあります。書いている方としては不本意な形ですが、それでも対策が取れることがあります。

  実際の反響を確認すると、紹介していただいた方の文書に先入観を持った手反応しているだけのことが多いのに気がつきました。この場合、紹介していただける方が引用しやすく内容を良く表した文書を用意することにより、より誤解を起こしにくい話題のなりかたになりました。これは、一般に知られていることに反する新しい内容であればあるほど注意を要することのようです。


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再盛りあがりへの準備

 最初の盛りあがりの内容を参考にするとページを充実させることが出来ます。足りなかった分を再試験したり、校正したりするとページの内容がより良くなります。また、新たな内容のページのアイデアが生まれることもあり周辺の内容も充実します。

 このようにしていると、再び大きく話題になりページへのアクセス数が急増することがあります。「WDC Caviar GPのディスク回転速度どうなっているのか」とその関連の「WD10EACS-00D6B0のディスク回転速度はどうなっているのか」は、2008年8月終わり頃に再度とりあげられアクセス数が増加しました。

 この時は、国内からのアクセスばかりでなく、Yahoo!やGoogleの自動翻訳経由で海外からのアクセスも増えました。この時は英語圏ばかりではなくロシヤ語やスペイン語、ドイツ語など他の言語圏からのアクセスも増加しました。

 これらのアクセスは最初の盛りあがりに比べれるピークのリクエストは少なかった物の総アクセス数は多いことがほとんどでした。このため、1時間あたりの最大リクエスト数は更新されなかった物、1日辺りや1月当たりのリクエスト数を更新することになりました。

 この盛りあがりの後良く知られるようになったのか、他のサイトにとり上げられることが増えました。しかし、2度目の盛りあがりの後は新たに取り上げられてもさほどリクエスト数が伸びなくなります。2回目の盛りあがりでやっと、其の情報に興味を持つ人に十分知られたようです。


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終息処理

 2回目の盛りあがりを過ぎると、ほぼその話題については終息したと見ないして良いようです。それでも新たに興味を持ち始めた人たちからのリクエストがぽつぽつと行われます。このリクエスト状況を参考に、興味を見て貰い続けている内容を調整します。また、興味を持ってもらった内容を整理して次のページ作成の参考にします。

 これで、個人の情報発信のサイクルが一回りしたことになります。


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まとめ

 以上のように、個人が情報を発信する場合、2〜3ヶ月ほどはかかることになります。そして、他の言語圏も含めて情報が十分伝わるには半年弱の時間がかかることになります。この中には、普段のサイトの維持にかかる時間は含まれていません。とても一瞬で世界を駆け巡るなどと言うことは想定できない世界です。

 今回想定したような一般個人でなく、Webサイトで生計を立てている人でも掲載して世界中に配信されるという状況はなかなか想定しにくい物があります。個人の場合、掲載出来る情報量に限りがあるので、毎日見に来てもらえるようなサイトというのは想定しにくいからです。多作で有名な赤川次郎さんのような人でも、個人で毎日アクセスしてもらえるような内容の更新は難しいと思います。複数の人員で更新していかないと新たな閲覧者がやってきて毎日閲覧してもらえる更新量を保つというのはなかなか難しいのではないでしょうか。

 毎日閲覧しに来てもらわなくともRSSを使って更新情報を配信しリピーターに更新したことを伝えることにより、読んでもらえるまでの期間を縮める手法はあります。しかし、新しい内容を新しい読者に伝えるにはRSSは力を発揮しません。現状では検索サイトへインデックス化されるまでの時間により、情報に興味を持つ人の手元に届くまでの遅延は避けようがないところがあると思います。

 マスメディアに関わる人たちが「個人の発信する情報が一瞬で世界に伝わる」など言う趣旨の発言をすることがあります。これは、個人が立ち上げたWebサイトでも世界中からアクセス可能なことをさして言っているのだと思います。また、掲示板などに掲載した内容に世界中からアクセス可能なことを念頭においているのかも知れません。しかし、実態はそのページにたどり着くアドレスが知られなくてはアクセスできません。このアドレスが知られる時間がかかるのが無視されています。また掲示板では、まとまった量の発言をすることは難しいと言う制約を乗り切らなくてはなりません。

 「個人の発信する情報が一瞬で世界に伝わる」というような発言をするのは日本のマスメディア関係者に多いようです。これは、日本のマスメディアがこの分野に疎いのを示しているような気がします。コンテンツをたくさんもつ業種がこのような状況であることに不安を覚えます。


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